「コミュニケーションが苦手で、会話のたびに緊張する」「人間関係にいつもモヤモヤが残る」「もっと職場で信頼される存在になりたい」――そんな悩みを抱えるあなたに朗報です。
今回ご紹介するのは、シリーズ累計150万部超のベストセラー作家・永松茂久氏による『人は聞き方が9割』。その名のとおり、“話す”よりも“聞く”ことにフォーカスした一冊です。
本書は「聞くことが人間関係のすべてを変える」と断言し、聞き手としての姿勢やテクニック、そして何より「相手に安心感を与える」ことの大切さを教えてくれます。
なぜ「聞き方」が人生を変えるのか?
多くの自己啓発書やビジネス書が「話し方」の重要性を説く中、本書が注目するのは“聞く力”。
人は本来「話したい生き物」だと著者は言います。つまり、上手に聞ける人は、相手に「この人にもっと話したい」と思わせることができる。結果として、信頼され、好かれ、チャンスが巡ってくるのです。
面白いのは、聞き上手になるために必要なのは「難しい技術」ではないという点。ちょっとした表情やうなずき、相づち、そして相手を受け入れる姿勢だけで、相手との距離はぐっと縮まります。
本書で学べる“魔法の聞き方”5つのスキル
本書の中核をなすのが、誰でもすぐ実践できる「魔法の傾聴スキル」。
- 表情:柔らかな笑顔で相手に安心感を与える。
- うなずき:タイミングよくうなずき、共感を示す。
- 姿勢:体ごと相手に向け、しっかり向き合う。
- 笑い:一緒に笑うことで場の空気を和ませる。
- 感賛(感嘆+称賛):相手の話に驚きや称賛を素直に伝える。
これらの動作は「気持ち」を伝える手段として非常に有効で、「この人にもっと話したい」と思わせる力を秘めています。
特に「感賛」はちょっと大げさなくらいがちょうどいい。リアクション上手になることで、相手に「自分の話をちゃんと聞いてくれている」と感じさせることができるのです。
「話すのが苦手」でも関係ない──聞き上手こそ最強のコミュニケーション術
「話し方が9割」ではなく「聞き方が9割」と言い切るこの本の魅力は、いわゆる“話しベタ”の人にとっても実践しやすい点にあります。
聞くことは、特別な才能や経験がなくてもすぐに取り組めるスキル。たとえば「うまく返せない」と悩んでいた人が、「ただ頷きながら最後まで聞く」だけで、相手から「聞き上手だね」と言われたという実例も紹介されています。
また、「会話を盛り上げよう」と焦って話を被せたり、無理にアドバイスしようとすることが、逆に相手にストレスを与えていることもあると気づかされます。実は“聞かない会話”が、あなたの信頼を損ねているかもしれないのです。
会話が続かない時は?
多くの人は「うまく話さなきゃ」と焦りがちですが、『人は聞き方が9割』(永松茂久)では、“聞く”ことこそが会話を自然に続ける秘訣だと説かれています。
重要なのは、相手の話にしっかりとリアクションを返すこと。たとえば、うなずきや相づち、ちょっと大げさなくらいの「へぇ!」「すごいですね」といった感嘆や称賛が、相手に「もっと話したい」と思わせるきっかけになります。
また、表情や姿勢も大切。笑顔で体ごと相手に向けて話を聞くだけで、安心感が生まれます。沈黙が続いたら無理に話そうとせず、「それでどうなったんですか?」と軽く問いかけるだけでも会話は再び動き出します。
聞き方を変えるだけで、誰でも“話し上手に見える聞き上手”になれるのです。
職場でも家庭でもすぐ使える、実用性バツグンの内容
本書の魅力は、内容が非常に実用的であること。職場での上司や同僚との会話、クライアントとの商談、家庭でのパートナーや子どもとのやり取り──あらゆる場面で「聞く力」が効果を発揮します。
特にビジネスの現場では、心理的安全性が重視される今、相手の話を否定せずに聞く姿勢が求められています。
本書を読めば、沈黙の使い方やオンライン会議での聞き方のコツまで学ぶことができるため、管理職やリーダー層にも大いに役立つでしょう。
こんな人に読んでほしい
- 会話に苦手意識がある人
- 職場や取引先との人間関係に悩んでいる人
- 「聞くことが大切」と言われても、どう実践すればいいか分からない人
- 部下や子どもとの接し方を改善したい人
もしあなたが「もっと人間関係をスムーズにしたい」「誰とでもうまくやっていける人になりたい」と思っているなら、本書はまさに“読むべき一冊”です。
読後はきっと「誰かの話を聞きたくなる」
本書を読み終えた後、不思議と「誰かの話を聞いてみようかな」と思えるようになります。聞くことに自信が持てるようになれば、会話のストレスも減り、相手との関係性も自然に良くなっていきます。
「聞くことは才能ではなく、ちょっとしたコツの積み重ね」。それを教えてくれる一冊として、ぜひ本書を手に取ってみてください。